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精子の放射化と卵、女性の放射化(=人類の危機)

引きつづき京都大学放射線生物研究センターの丹羽 太貫氏の論文リンク
より抜粋して転載します。

■放射線による遺伝的不安定性誘導の証明
■実験結果を論文にして国際雑誌に投稿しましたが、世間の常識とあまりにも違うのか、論文がいまだに通らない。
■精子の放射化と卵、女性の放射化(=人類の危機)

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6.放射線による遺伝的不安定性誘導の証明
 放射線発がんにおける遺伝的不安定性の役割を証明するためには、

1)放射線により遺伝的不安的性が誘導されること、
2)それが発がんをもたらすこと、を示さなければなりません。

以下に、放射線が遺伝的不安定性を介して個体レベルで突然変異を引き起こすことを示します。
 遺伝的不安定性で突然変異が生じることをみる場合、突然変異の指標が必要です。通常突然変異の研究は培養細胞や大腸菌を用いて行われていますが、がんではやはり個体の組織細胞が問題なので、個体レベルでの突然変異を調べる指標が必要です。我々は、このような指標としてミニサテライト配列を用いました。ミニサテライト配列は、短い配列が繰り返された全長が数1000塩基対のもので、組換えにより繰返し数が変わるための長さの変化による突然変異を高頻度に生じます。ミニサテライト配列などもともと突然変異頻度の高いものを指標にすると、少ないサンプル数でも変異個体や変異細胞が検出可能になります。

(この部分に実験内容がありますが、省略して考察部へ。)

これは損傷から期待されるものの100倍にもなります。このため、ここで見ているミニサテライトの突然変異は放射線によるDNA損傷が直接引き起こしたものではなく、放射線が遺伝的不安定性を誘導しそれが変異しやすいミニサテライトのような配列に作用して2次的に誘発されたものであることが明らかです。
 この遺伝的不安定性を介した2次的な突然変異を証明するのには、損傷をうけたDNA部位と変異が生じた部位が異なる系であれば一番良いわけです。このような系として発生の最初である受精卵はたいへん都合が良く、精子と卵子に由来する2つの核を持っています。それゆえ、精子に照射して受精させた場合に卵子由来の遺伝子に突然変異が生じることを証明すれば、2次的に生じたことが明らかになります。

(この部分に♂被曝後、♀と交配)

結果は期待の通りで、放射線をあびていない母親の標的配列で突然変異の頻度の上昇がみられました。これらの実験結果を論文にして国際雑誌に投稿しましたが、世間の常識とあまりにも違うのか、論文がいまだに通りません。ともあれ、放射線が遺伝的不安定性を誘発することのみは、証明できました。問題は、このような機構でできた突然変異が実際に発がんに関与しているか否かですが、これについては現在鋭意研究をすすめているところです。

7.最後に
 私の仕事は、広島・長崎の原爆被爆者の発がんパターンについての疑問から発したのですが、それが生命がDNA損傷というストレスにどのように対処するか、という根本的な問題にまで話が発展してしまいました。生命科学の研究では、どのようなところから登りはじめても、結局は生命の根本的な部分に至ります。放射線という一見古くさい研究テーマにも、深い大きな問題が含まれており、やはり生命科学は実に興味つきないものです。

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(転載おわり)

■これからも疫学経験、大胆な仮説、実験によって、事実を明らかにして欲しいと想いました。


佐藤英幸
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