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放射線被爆とがんの関係~白血病~

「検診と放射線」 から転載。

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   検診で増えたがん

 1945年から起った白血病の増加は、北半球の中緯度地帯にある多くの国でみられる。大気中の放射性物質は1952~1962年にピークとなっており、白血病は1970年頃から各国で減り始めているのに、我が国の白血病はなお増加が続くことと、学童では胸部検診が1972年以降行われなくなったとたんに白血病が減っていることを考えると、結核集団検診が、白血病増加の一因であったことは明らかである。
1950~2000年の間で5年毎に5~19才の結核と白血病の死亡数を比較したのが右表である。1950年の白血病死亡率は10万人あたり男1.5人女1.0人であるので、これに相当する人数を過剰死亡数では除いてある。1950年に結核予防法による胸部検診が始まった頃には、結核による死亡者がかなり多いので、検診の必要性に疑いはない。
白血病による過剰死亡者の中には、大気圏内での核爆発実験によるものも相当含まれているが、大気中の放射性物質の最終ピークがあった1965年から20年経った1985年には核実験による白血病は殆どないはずである。
そこで、1985年以降では5~19才の白血病過剰死亡者は結核検診による犠牲者と考えられる。

   検診でのX線被曝の危険度

 結核検診が始まった1950年には、胸部撮影の線量は40ミリシーベルト程度だが、その後の技術の進歩により、1972年には撮影線量は大人で4ミリシーベト前後であるので、身体の小さい9才前後では2ミリシーベルトと推定される。
胸部撮影では骨髄の半分程度が被曝するので、全身に換算すると1ミリシーベルトとなる。この被曝線量では、ICRPの値に従えば白血病死亡は10万人あたり0.15人増である。1972年に9才前後であった年令階層は1980年の15~19才となるが、この年1年に限っても白血病過剰死亡率は10万人あたり1.0(死亡率は2.5)で7倍も高い。

 また、65~69才での白血病死亡率は10万人あたり15を超えているが、これはICRPの値に従えばこの年令階層の全員が55才以後毎年全身に90ミリシーベルト被曝している勘定になる。日本人の被曝量は3ミリシーベルトまでだが、高齢者は医療や検診による被曝が加わり、6ミリシーベルトであったとしても、60才前後での被曝危険度は白血病に関してICRP値の15倍以上であることになる。(他に白血病増加の原因が特定されれば別だが)
 なお、放射線被曝による白血病増加のあと10年遅れてがんの増加があることも考えることが必要である。
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太刀川省治
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