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増加し続ける『ホルモン依存性がん』その背景とメカニズム

最近、「『ホルモン依存性のがん』って何?」という質問を受けました。
 るいネットにも関連投稿が多くありますが、ここでは、情報をまとめておきます。

 がんの多くは減り続けてきているのですが、現在も増え続けているのが、この『ホルモン依存性がん』といわれる種類のがんです。

■ホルモン依存性がんとは何か?

 ホルモン依存性がんは、ホルモンががん細胞の増殖に影響を与えるがんのことです。

 具体的には、生殖器官のがんで、女性なら乳がん、卵巣がん、子宮がん、男性では前立腺がんなどになります。いずれも、近年増加し続けているがんです。

 これらのがんは、アンドロゲン、エストロゲンなどのホルモン濃度ががん細胞の増殖に関係しているため、ホルモン依存性と呼ばれます。(ホルモン濃度が高いと発生しやすいがんということです。)

 もともとホルモン依存性がんは、ヨーロッパの国々で発生率が高く、日本などアジアでは低いのです。
 が、日本では、発生率がこの数十年間で高まってきています。

■乳がん、卵巣がんが増えてきたのはなぜ?

 なぜ日本でも乳がんや卵巣がんが増えてきたのか?
 その理由ですが、一説には、食生活の欧米化、具体的には牛乳をはじめとする乳製品の普及という説があります。

 現代の牛乳には、性ホルモンが大量に含まれています。
 乳製品を摂取することで、体内のホルモンの濃度が大きく変化した結果、発がん率が高くなった可能性があります。

 また、伝統的な和食で消費されることの多い味噌や豆腐など大豆食品には、イソフラボンというポリフェノールが含まれています。イソフラボンは、性ホルモンに似ており、ホルモンの受容体に結合するのですが、性ホルモンの作用は強くないので、性ホルモンの作用を弱める効果があります。
 日本が、ホルモン依存性がんの発生率が低かったのは、大豆由来のイソフラボンのためではないか、と推測されています。
 この伝統的な食生活の崩壊が、発生率を増加させた可能性があります。

■乳製品が伝統的な欧米でも増えてきたのはなぜか?
 
 ところで、ホルモン依存性がんが増加したのは日本だけではなく、欧米でも同じです。
 伝統的に乳製品を摂取してきたはずの欧米でホルモン依存性がんが増えたのはなぜか?
 それは、かつての牛乳と現代の牛乳には大きな違いがあるからです。

 普通、哺乳類は、子が授乳している期間は妊娠しません。この期間はホルモンが妊娠を抑制するようにできています。ですから、通常は、授乳期間が終了してから、妊娠し、逆に、妊娠している間は、乳の出が悪くなるようにできています。

 しかし、現在は、妊娠中の牛に高栄養の餌を与えて、強制的に乳をしぼりとっています。妊娠中は、安全な妊娠を維持するために、ホルモン濃度が高くなりますから、この時期の牛の出す乳にも、当然、ホルモン濃度が高くなります。

 このような酪農業の変化は20世紀に入って起こりました。
 ですから、それ以降の、特に先進国の人間は、みな女性ホルモンが大量に入ったミルクを飲んできたことになります。(その濃度は通常のミルクの数十倍と言われています)
 このことが、欧米でも、ホルモン依存性がんを増加させた可能性があります。

■肺がんが増加した理由か?

 また、肺がんが増加したのも、同じような理由である可能性があります。
 肺がんは原因によって複数に分類されますが、そのうち最も割合の多い肺腺がんはホルモン依存性がんです。

 一般に喫煙が原因とされる扁平上皮がんのタイプの肺がんよりも、肺腺がんのほうが割合が多く、かつ近年急増しているのは肺腺がんです。

 肺腺がんは、肺の奥の方で発生するため、初期症状が出ません。

 がんが大きく成長するまで症状が出ないうえ、症状が出てもかぜに似ているため、放置されるケースが多いのが特徴です。
 そのため、病院で診断されるよりも多くのケースが未発見のままになっている可能性があります。だとすれば、その割合は統計的データよりも高いことが予測されます。

 人類の肉体を文字通り直撃する、種の維持に関わる非常に恐ろしい問題ですが、誰も話題にしません。
 現代社会のタブーと言っていいかもしれません。

阪本剛


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