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原発の真実~海外ニュースより■日雇いで放射能に立ち向かう労働者たち

日本のマスコミは都合の悪い真実は流さないということは事実でしょう。海外のニュースを読んでみると、そのことが良くわかります。

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ニューヨーク・タイムズ 2011年4月9日
■日雇いで放射能に立ち向かう労働者たち

(前略)
 原子力安全・保安院によれば、日本各地18カ所にある営利目的の原子力発電所で働くおよそ83,000人の労働者のうち、88%は2010年3月で契約の切れる契約労働者だった。この期間、福島第一原発の契約労働者の比率は10,303人の労働者の89%だった。日本の原子力産業では、エリートを構成するのは、発電所を操業する東京電力や、その建設や維持にあたる東芝や日立といった企業で働く者たちである。しかし、こうした企業の社員の下には、契約労働者、下請け労働者、孫請け(下請けの下請け)労働者がおり、この階梯の下へ行けば行くほど、賃金も福利厚生も放射能に対する保護も低いレヴェルに落ちる。

 福島第一原発その他の原発で現在働いているか、働いたことのある6人ほどの労働者へのインタビューから浮かび上がるのは、原発関連の仕事を得る労働者たちの荒涼たる現実である。凄まじい熱に抗がって、モップや雑巾で原子炉の排水溝や使用済み燃料プールから出る放射能を除去する、監督官や技術者ないし東京電力の社員のために通路を清掃する、寒さの中で汚染された廃棄物を槽に入れる、等々。

 建築現場から雇われた者もいれば、収入増を求めて職についた地元の農民もいる。しかし、名前を明かすことを嫌がった多くの労働者によれば、それ以外は地元の暴力団によって仕事を斡旋されている。

彼らはいつ首切りを受けるかも分からないという恐怖に怯えており、雇用者とのトラブルを避けるために怪我をしてもそれを隠し、肌色の粘着性の包帯を巻いて切り傷やあざをごまかすという。

 原発での仕事の経験を持つ労働者たちが言うには、最も危険な場所では、放射線レヴェルがあまりにも高いので、単にバルブを開けるために近づく時でさえ順番で交代する。ほんの数秒もバルブをひねると、ストップウォッチをもった指導員が次の労働者に仕事を引き継ぐよう命じるのである。地震の際に稼働中だった3つの原子炉が自動停止した現在の福島第一原発でも、同様の作業が求められているだろう、と労働者たちは言う。

 「なにより大事なのは<パンク>を避けることだ」と、現在福島第二原発で働くある労働者は言った。<パンク>というのは英語のpunctureに由来する表現だが、それを避けるというのは、放射線量測定器が1日にさられてよい放射線量の上限である累積50ミリシーヴェルトを計測しないようにさせる、ということを意味する。「一度でも上限をこえてしまったら、もう仕事はないんだ」、とこの労働者は言った。彼は雇い主から首切りにあうことを恐れて、名前を出そうとはしなかった。

 タケシ・カワカミ(64歳)は、1980年代のこと、年に一度のメンテナンスのための稼働停止の際、タワシや雑巾で壁面の放射能をこすって洗い落すために、福島第一原発の第一号原子炉の使用済み燃料プールに上った時のことを回想する。労働者たちは皆、放射線レヴェルが累積摂取量の上限に達したらアラームがなるようセットされた計測器を身に着けていた。カワカミ氏がいうには、通常20分も作業はつづけられなかった。

 「もう耐えがたいものでした。マスクを着けるんですが、これが実にきついんです」とカワカミ氏は語る。「目がくらくらしてきます。自分がなにをしているのかさえ、わからなくなるんです。汗に溺れるかと思いましたよ。」

 1970年代半ば以降、約50人の労働者が、白血病やその他のガンを発症したために賠償を受けている。医療の専門家によれば、多くの元労働者たちが健康問題を抱えており、それはおそらく原発での労働によるのだが、直接的な関係を証明することはしばしば難しい。カワカミ氏は腹部および腸のガンと診断されている。

 労働災害の情報は、2010年10月に東京電力が福島県庁に提出した安全性レポートにも繰り返し登場する。このレポートでは、事故の際にタービン棟を洗浄していた1人の契約労働者が、たまたま顔を覆っていたタオルを使用した結果、有害レヴェルの放射能にさらされたと述べられている。このことに対応して、今後は労働者が汗をふくために別にタオルを供与する予定である、と東京電力はレポートに記している。

 福島第一原発の電源を破壊し、いくつかの原子炉を一部メルトダウン寸前にまで追い込んだ3月11日の地震と津波の後、ほとんどの日雇い労働者たちは発電所から避難した。以来、原発から戻ったこれらの労働者たちは、厳しくメディアから隔離されている。彼らの多くは労働者用の詰め所に収容されており、そこには報道関係者は立ち入れない。しかし、こうした労働者たちが今でも被災した発電所で大きな役割を果たしつづけていることを示すしるしはある。

 2週間前、放射能を含有した水に足を踏み入れて被曝した2人の労働者は、下請けで雇用された者たちだった。東京電力によれば、木曜日の時点で、21人の労働者たちが100ミリシーヴェルト、ないし緊急時の原発労働者に通常設定されている上限をこえる放射線レヴェルに累積でさらされている(この上限は、先月250ミリシーヴェルトに引き上げられた)。

 東京電力は、何人の契約労働者が放射能にさらされたのか、明らかにするのを拒んでいる。木曜日の時点で発電所に残っているおよそ300人のうち、45人が契約雇用だという。

 リスクに伴って増額された賃金に誘われて、日雇い労働者たちが発電所に戻るよう促されている。発電所から1マイル[1.6 km]ほどのところに住み、地震の翌日に同じ町の住民たちとともに避難したイシザワ氏は、先週、かつての雇用者から連絡を受けたという。オファーされた賃金は、福島第一原発でのわずか2時間の労働に対して1日約350ドル、かつての賃金の二倍以上にあたる。彼のかつてのチームには、日当1000ドルをオファーされた者もいる。発電所の状況の推移と当該の日に想定される放射能のリスクに応じて、オファーは変動する。今のところ、イシザワ氏は発電所に戻ることを拒んでいる。
(中略)
 「彼らには正直に話すことは許されないのです」と中島氏は語った。「いったん原発に入ってしまうと、すべては秘密なのです。」

 先週、避難センターで煙草を吸っていた際に交わされた福島第一原発の労働者たちの話題は、専ら発電所に戻るかどうか、だった。ある労働者は、もしも仕事が見つかるものなら、建築作業の方がまだ安全だと思う、といった。「地面の穴なら見えるけどね、放射能は見えないんだから」とはある労働者のことばである。

 唯一人、名前を出すことを許可してくれたイシザワ氏は語る。「いつか原発に戻る日がかもしれない。まあ、よほど飢えてればだけど。」福島第一原発に加え、彼はこの地方の火力発電所や高速道路建設現場で働いたことがある。当分は原子力産業からは離れているつもりだという。

「仕事は必要だ、ただし安全な仕事がね」と彼は言った。






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