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原子力発電は、絶対に必要である。だから、原子力発電は、絶対に安全だということにしないといけない。2

[佐藤栄佐久公式サイト]より『外国特派員協会記者会見:冒頭発言全文(リンク)2011年4月21日』より転載します。【原子力発電は、絶対に必要である。だから、原子力発電は、絶対に安全だということにしないといけない。】
---------------------------------1より
よく、東電という会社には、隠蔽体質があると、みなさん言われます。それじゃあ東電の経営者を全部入れ替えたら、直るのかということです。
それから、保安院が経産省に入っているのはいけないから、これを出せ、という意見も聞きます。それをやるだけで直るのか、ということです。わたしに言わせると、そんなことでは直りません。
福島第一原発、そして第二原発では故障やひび割れがたくさん見つかっていました。ところが、その点検記録を書き換えて、なかったことにしていたのです。それがわかったのが、2002年8月でした。
このとき東電では、当時の社長と会長、担当副社長、それから元社長の相談役2人、合計5人がいっぺんに辞職しています。
辞めた相談役の1人は、経団連の会長まで務めた財界の超大物でした。
経営者を入れ替えろ、というのでしたら、一度それにちかいことを東電はしております。それでも、今度のことが起きたのです。
日本経済に必要な電力を供給するには、絶対に原発が必要である。
燃やしてできるプルトニウムは、貯めすぎると外国から疑われるから、再利用しないといけない。
つまり、必要だから必要なんだという理屈が、延々と続いていくのです。
危ないから注意しろ、というと、私のように、国家にとっての危険人物と見なされてしまうわけです。
これは、怖い理屈です。国会議員だろうが、だれであろうが、この理屈には立ち向かえません。
そしてこれだけ有無を言わさないロジックが出来上がると、リスクをまともに計量しようとする姿勢すら、踏みつぶされてしまうのです。
しかも、事実を隠したり、見て見ぬふりをすることが、まるで正義であるかのような、そんな倒錯した価値観までできるのです。すべては、原発推進というお国のためなのですから。
こんな状態ですと、どれだけデータを見せられて安全だといわれても、安心できません。なぜなら、安心とは、サイエンスではないからです。安心とは、信頼です。違いますか?原発を動かしている人を、国民が信頼できないと、安心はないからです。
私は、いまある原発を全部止めてしまえという意見では、ありません。
しかし、国民が原発に寄せる信頼がずたずたに壊れてしまった以上、いまのままの形で原発を続けていくことはできないと思います。
そこで最後に、この先の原発政策をどうすべきか、私の意見を申し上げて、終わりにします。
原子力安全委員会という、原発の安全政策の基本を決める組織があります。権限は、紙に書かれたものを見る限り、充実しています。しかし、実際には、ろくな審議もせず、有名無実です。まずは、安全委員会を完全な独立組織とし、委員を国民から選ぶ制度にする必要があります。その際には、わたしは喜んで手を挙げ、委員になろうと思います。
ドイツやフランスは、原発政策を変えるときなど、何年も何年も、議論を尽くします。あらゆる過程に、市民の声が入る工夫をしています。
そんな悠長なことをしていると、日本経済がダメになる、と、政府や電力会社は言うでしょう。これが、きょう私が申し上げた「絶対に必要だ、だから原発は安全だ」という原発絶対主義につながるのです。
いまは、ありとあらゆる方法を尽くして、長い長い手間と暇をかけて、データや紙切れのうえの安全性でなく、信頼に裏打ちされた安心をつくらないといけないときなのです。
日本の民主主義が、試されています。立派な仕組みをつくり、これなら安心だと、世界中の人に思ってもらう必要があります。
そうしないと、ここははっきり申し上げておきますが、外国の人もお金も、日本には入ってこなくなります。原発を生かして、日本経済をつぶすことになります。
それが、津波で命を落とした何千、何万の人たち、家を追われた何十万という人たちの、犠牲に報いる道でしょうか。原発に関わるすべての人たちは、この問いを、しっかり考えてほしいと思います。
以上で私の発言を終わります。
~後略~
---------------------------------終了
原発政策の隠蔽体質を鋭く追及する発信である。原子力発電は、絶対に必要である。だから、【原子力発電は、絶対に安全だということにしないといけない。】という意識は、原発だけでなく、いまの市場社会、至るところで存在する。この言葉は、原発政策にとどまらないことを私たちは理解していかねばならないと思う。

彗星
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