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「再処理工場の放棄が急務の課題」 その1

社会科学者の時評【リンク】からの転載です。
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問題は「核燃料サイクル」にある。本ブログですでにその氏名がなんど登場した京都大学原子力実験研究所の小出裕章は,その問題「再処理工場の放棄が急務の課題」を,以下のように指摘・批判している。

~中略~

a)「原子炉の副産物」 「原子炉を動かすと,その使用済み燃料中には (1) 燃え残りのウラン,(2) 核分裂生成物,(3) 新たに生まれたプルトニウムが混然一体となって含まれるようになる」。

b)「再処理の意味」「再処理とは使用済み燃料中に存在するそれら3者を化学的に分離する作業である。これら3者は原子炉の段階では曲がりなりにも燃料棒のなかに閉じこめられているが,再処理では,それらを分離するためにどうしても燃料棒を切断してその閉じこめを破らなければならない」。

c)「放射能の多さ」「その上,たとえば〔青森県〕六ヶ所村に計画されている再処理工場では1年間に800トン分の使用済み燃料の再処理をする計画だが,それは約30基の原子力発電所が1年間に生み出す量に相当する。その放射能の閉じこめをわざわざ破ってとりあつかうのであるから,再処理工場から放出される放射能の量は圧倒的に多い」。

d)「軍事目的が本来」「もともと再処理の目的は原爆材料であるプルトニウムをとり出すことであり,高度な軍事技術であった。さきの第2次世界戦争で負けた日本は原子力に関連するいっさいの研究を禁じられ,ごく基礎的な研究装置すら米軍に破壊された。そのため,日本の原子力技術は欧米に比べて何十年も遅れており,日本は再処理技術ももっていなかった。そのため,これまで日本の原子力発電所の使用済燃料は,英国・フランスに委託して再処理をおこなってきた」。  

e)「再処理工場による放射能汚染:イギリスの実例」 「その英国ではウィンズケール(最近では,セラフィールドと呼ばれる)に再処理工場があるが,これまでに120万キュリー(広島原爆の400倍)を超えるセシウム137が内海であるアイリッシュ海に流された。すでにアイリッシュ海は世界一放射能で汚れた海になってしまっており,対岸のアイルランド国会,政府は度々再処理工場の停止を求めてきた。

f)「核兵器にしか使えないプルトニウム」「日本が英・仏に再処理を委託して軽水炉の使用済み燃料からとり出してしまったプルトニウムは,使い道のないまますでに40トンに達しようとしている。使い道のないプルトニウムの蓄積は核兵器への転用の危惧を生むため,日本はやむなく軽水炉でプルトニウムを燃やしてしまう『プル・サーマル』路線を選択しようとした」。

「しかし,『プル・サーマル』で燃やせるプルトニウムの量など知れているし,『プル・サーマル』すらが燃料製造データの偽造,住民や地方自治体の抵抗で頓挫したうえ,東京電力をはじめとする電力各社のトラブル隠しでいっそうの苦境に陥っている。こうなれば,プルトニウムを使用済み燃料からとり出すことは犯罪行為ともいうべきもので,現在六ヶ所村で建設中の再処理工場はけっして運転してはならない。
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続く



八代至誠
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